株式投資の世界では、様々な専門用語が使われます。
「アク抜け」もその一つで、株価の変動を理解する上で重要な概念です。
これは、料理で食材を煮込む際にアクを取り除くのと同じように、株式市場では悪材料が取り除かれることを指します。
アク抜けとは
アク抜けとは、株価を押し下げる悪材料が出尽くし、それまで下落していた株価が下げ止まる、あるいは上昇に転じることを指します 。
アク抜けのメカニズム
株式市場では、企業の業績悪化や不祥事などの悪材料が出ると、投資家がその企業の株式を売却するため、株価は下落します。
悪材料とは、具体的には、業績の悪化、不祥事、訴訟、規制の変更など、株価の下落を引き起こす可能性のある情報のことです。
しかし、こうした悪材料が出尽くすと、売りが一巡し、株価は下げ止まることがあります。
アク抜け後の相場
アク抜け後の相場は、一般的に上昇トレンドに向かうことが多いとされています。
これは、悪材料が出尽くしたことで、投資家の不安感が払拭され、買い意欲が高まるためです。
しかし、アク抜けはあくまでも一時的な反発に過ぎない場合もあり 、必ずしも上昇トレンドに転じるわけではありません。
一時的な反発に惑わされて安易に投資すると、大きな損失を被る可能性もあります。
そのため、アク抜け後の相場でも、市場の状況を注意深く観察し、ファンダメンタル分析やテクニカル分析などのツールを用いて、慎重に投資判断を行う必要があります。
アク抜けに対する投資家の対応は、投資スタイルによって異なります。短期トレーダーは、アク抜け後の最初の価格上昇を利用して利益を上げようとするかもしれません。
一方、長期投資家は、アク抜けを長期的な回復の可能性を示すサインと捉え、長期的な視点で投資を行うかもしれません。
アク抜けと関連する用語
アク抜けと関連性の高い用語として、「悪材料」と「材料」があります。
- 悪材料: 企業の業績悪化や不祥事など、株価を下落させる可能性のある情報のこと。
- 材料: 株価に影響を与える可能性のある情報のこと。好材料と悪材料の両方を含みます。
アク抜けのチャート分析
チャート分析において、アク抜けを判断する明確なパターンは存在しません。
しかし、テクニカル分析の手法を用いることで、アク抜けの兆候を捉えることは可能です。
例えば、移動平均線やボリンジャーバンドなどの指標を参考に、株価のトレンドや値動きの変化を分析することで、アク抜けのタイミングを予測することができます。
例えば、ある銘柄の株価が長期にわたって下落トレンドにあり、200日移動平均線を下回って推移していたとします。
しかし、その後、悪材料が出尽くしたことをきっかけに、株価が反転し、200日移動平均線を上抜けたとします
さらに、ボリンジャーバンドのプラス2σに接近するなど、上昇の勢いが増している場合は、アク抜けが起こったと判断できる可能性があります。
専門家の見解
証券アナリストは、企業の財務状況や業績を分析し、投資判断を行う専門家です。
彼らは、企業の将来性を評価する際に、アク抜けの概念を考慮に入れます。
例えば、ある企業が業績悪化に苦しんでいても、その原因が一時的なものであり、将来的に回復が見込める場合は、アク抜けを期待して投資を行うことがあります。
ファンドマネージャーは、投資信託などの資金を運用する専門家です。
彼らは、市場全体の動向を分析するだけでなく、個別銘柄の分析も行います。その際、アク抜けの概念は、投資判断を行う上で重要な要素となります。
例えば、ある銘柄がアク抜けしたと判断した場合、ファンドマネージャーは、その銘柄への投資を検討する可能性があります。
アク抜けに関する補足
- アク抜けは、日本語の「悪(あく)が抜ける」という言葉に由来しています 。
- 料理で食材を煮込んだ際にアクを取り除くのと同じように、株式市場では悪材料が取り除かれることをアク抜けと表現します 。
- アク抜けは、証券用語集や投資情報サイトで解説されています。具体的には、東海東京証券株式会社 、大和証券 、野村證券 などの証券会社が、自社のウェブサイトでアク抜けについて解説しています。
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まとめ
アク抜けは、株式投資において重要な概念の一つです。
悪材料が出尽くした後の株価の動きを理解することで、投資判断をより的確に行うことができます。ただし、アク抜けは必ずしも上昇トレンドに転じることを保証するものではないため、注意が必要です。
アク抜けは、初心者投資家にとって、株式市場の複雑さを理解し、より多くの情報に基づいた投資判断を行うための重要な手がかりとなります。
アク抜けの概念を理解することで、自信を持って株式投資に取り組むことができるでしょう。