しごでき

「しごでき」とは、端的に言えば「仕事ができる」という意味のスラングです。
高い能力を発揮して効率的に仕事をこなし、周囲から頼られるような人を指します。

ビジネスシーンにおける「しごでき」

ビジネスシーンにおいては、業務を迅速かつ正確に処理する能力はもちろんのこと、コミュニケーション能力、問題解決能力、リーダーシップなど、多岐にわたる能力を兼ね備えた人を「しごでき」と評価する傾向があります。

日常会話における「しごでき」

一方、日常会話では、必ずしも仕事に限定されず、家事や趣味など、あらゆる場面で要領よく物事をこなす人を「しごでき」と表現することがあります。
例えば、飲み会の幹事をスムーズにこなしたり、旅行の計画を立ててくれたりする友人を「しごでき」と褒めることがあります。

語源

「しごでき」の語源ははっきりとは分かっていませんが、一説にはホストやホステスの業界で使われ始めた言葉と言われています 。
接客スキルや顧客対応に長けた人を称賛する際に使われていたようです。
近年では、2019年頃から若者を中心に広まり始め 、2022年頃に漫画原作のドラマで「しごでき」というセリフが使われたことで、SNSを中心にさらに普及したと言われています。

興味深いことに、「しごでき」は「仕事ができる」の略ですが、「しご」自体には「ひそかに話すこと。ささやくこと」という意味があります。

類義語・対義語

類義語

「しごでき」と似た意味を持つ言葉としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 有能 :「しごでき」とほぼ同義語で、高い能力と知性を持つことを意味します。
  • 腕利き :特定の分野で優れた技能や技術を持つ人を指し、「しごでき」よりも専門性の高さを強調する場合に用いられます。
  • 敏腕 :機敏に行動し、優れた手腕を発揮するさまを表し、「しごでき」よりも行動力やスピード感を強調するニュアンスがあります。
  • デキる :「しごでき」と同様に、仕事ができることを意味しますが、よりカジュアルな表現です。 
  • 優秀: 全体的に優れた能力を持つことを表し、「しごでき」よりも幅広い能力を評価する際に使われます。
  • 能力が高い: 「しごでき」とほぼ同義語で、仕事やその他の場面で高い能力を発揮できることを意味します。

対義語

反対に、「しごでき」と反対の意味を持つ言葉としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 使えない :「しごでき」の反対語として最も一般的な言葉で、能力が低く、役に立たないことを意味します。
  • 無能 :能力が全くないことを意味し、「使えない」よりも強い否定的な意味合いを持ちます。
  • 不器用 :物事をうまくこなすことができないことを意味し、「しごでき」のように要領よく行動できない人を指します。
  • 非力 :体力や能力が不足していることを意味し、「しごでき」のように力強く仕事を進められない人を指します。
  • 仕事ができない: 「しごでき」の反対語で、文字通り仕事ができないことを意味します。

使用例

ビジネスシーンでの使用例

  • 「Aさんは本当にしごできで、いつも頼りになる。」
  • 「今回のプロジェクトは、しごできのBさんに任せれば安心だ。」
  • 「Cさんはプレゼン資料の作成から顧客対応まで、全てにおいてしごできだ。」

日常会話での使用例

  • 「Dさんは、いつもサプライズを企画してくれて、本当にしごできだよね。」
  • 「Eさんは料理も上手で、家事も完璧にこなす、まさにしごでき女子だ。」
  • 「Fさんは、旅行の計画から予約まで全部やってくれて、しごできだなー。」

現代における変化

現代社会において、「しごでき」の捉え方は、従来の「単に仕事が速い・正確」といった視点から、より多様化・複雑化しています 。

  • チームワークやコミュニケーション能力の重視
    高度情報化社会においては、個人で仕事を抱え込むのではなく、チームで協力して仕事を進めることが重要視されています。
    そのため、コミュニケーション能力に長け、周囲と協調性を持って仕事を進められる人が「しごでき」と評価される傾向が強まっています。

  • 変化への対応力
    グローバル化や技術革新が加速する現代においては、変化への対応力が求められます。
    新しい情報や技術を積極的に吸収し、柔軟に変化に対応できる人が「しごでき」とみなされるようになっています。
  • 多様性への理解
    多様な価値観や働き方が認められる現代においては、異なる文化や背景を持つ人々と協力して仕事を進めることが求められます。
    多様性への理解を示し、互いを尊重しながら仕事に取り組める人が「しごでき」として評価されるようになっています。

つまり、現代社会における「しごでき」は、個人の能力だけでなく、チームワーク、コミュニケーション能力、変化への対応力、多様性への理解など、様々な要素を総合的に判断されるようになっていると言えるでしょう。

関連する概念

「しごでき」と関連する概念としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 仕事への価値観
    仕事に対する責任感や使命感、そして仕事を通じて自己成長を追求する姿勢は、「しごでき」と密接に関係しています。

  • 能力主義
    成果や能力に基づいて評価される能力主義は、「しごでき」を重視する考え方と共通する部分があります。
  • ワークライフバランス
    仕事とプライベートの調和を図るワークライフバランスは、現代社会において「しごでき」な働き方として注目されています。

しごできになるためには

「しごでき」になるためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?具体的な方法をいくつか紹介します。

  • 仕事の目的を明確化する
    何のためにその仕事をするのか、目的を理解することで、モチベーションを維持し、効率的に作業を進めることができます。

  • 目標を設定する
    目標を設定し、達成に向けて努力することで、業務効率の向上や自身の成長に繋がります。 

  • 行動力と判断力を磨く
    問題が発生した際に、迅速に判断し、行動に移すことが重要です。

  • レスポンスを早くする
    相手に無駄な時間を与えないよう、迅速なレスポンスを心がけましょう。

  • タイムマネジメントを上手に行う
    成果から逆算し、時間を有効活用することで、より多くの仕事を効率的にこなすことができます。

  • 目の前の業務に集中する
    集中力を高め、目の前の業務に全力で取り組むことで、質の高い仕事をすることができます。

結論

「しごでき」という言葉は、時代とともにその意味合いを変化させながら、現代社会においても重要な意味を持つ言葉です。
単に「仕事ができる」という意味を超えて、コミュニケーション能力、変化への対応力、多様性への理解など、多岐にわたる能力を包含する概念として捉えられています。

現代の日本社会において、「しごでき」であることは、単に個人の能力を示すだけでなく、組織への貢献、そして社会全体の活性化にも繋がる重要な要素と言えるでしょう。

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