ニッパチ (28)

「ニッパチ」とは、2月と8月は、一般的に飲食店の売上が落ち込む月である ということを意味する言葉です。「2:8(ニッパチ)の法則」から来ているとする説もありますが、数字の根拠は定かではなく、主に「閑散期」を指して用いられています。

なぜ2月と8月は売上が落ち込むのか?

諸説ありますが、主に以下のような理由が考えられます。

2月

  • 年末年始や1月の新年会などの出費が重なり、消費者の財布の紐が固くなる。
  • 日数が他の月より少なく、単純に営業日が少ない。
  • 寒い日が続き、外出を控える人が増える。
  • 年度末に向けて、企業が経費節減を意識する時期。

8月

  • お盆休みで帰省や旅行をする人が多く、外食をする人が減る。
  • 暑さが厳しく、外出を控える人が増える。
  • 夏休み期間で、家族連れはレジャーなど他のことにお金を使う傾向がある。
  • 7月のボーナス後の反動で消費マインドが落ち込む。

ただし、業態や立地によっては、この限りではありません。

例えば、以下のようなケースでは、2月や8月でも売上が落ち込まない、あるいは逆に伸びることもあります。

  • スキー場周辺の飲食店
    2月は書き入れ時。
  • 海水浴場周辺の飲食店
    8月は書き入れ時。
  • ビアガーデン
    夏の暑さを追い風に、8月は繁忙期。
  • 観光地
    お盆休みや夏休みの旅行客で賑わう。
  • オフィス街
    近くに住んでいる人よりも、そこで働いている人がターゲットのため、休暇の影響を受けにくい。

ニッパチの使用例

  • 「来月はニッパチだから、閑散期対策を考えないとね」
    売上が落ち込む2月や8月に向けて、対策を検討する。
  • 「ニッパチは、毎年厳しい月だな…」
    2月や8月の売上低迷を嘆く。
  • 「うちはオフィス街だから、ニッパチの影響はあまり受けないんだよね」
    立地条件によっては、「ニッパチ」の影響が少ないことを話す。
  • 「ニッパチに備えて、イベントを企画しよう」
    閑散期対策として、イベントやキャンペーンを企画する。
  • 「今年の8月は猛暑だったから、ニッパチとはいえ、例年より良かったよ」: 8月の暑さで、冷たいものを出す店が好調な場合など。
  • 「2月はバレンタインデー、8月はお盆休みがあることを考慮して、ニッパチ対策を考えよう」
    2月はチョコレートを扱うお店、8月は帰省客をターゲットにしたお店など、季節イベントを利用した戦略を検討する。

ニッパチ対策

飲食店は、「ニッパチ」の売上低迷を乗り切るために、様々な対策を講じます。

  • イベントやキャンペーンの実施
    集客を促すためのイベントやキャンペーンを企画する。
  • 新メニューの開発
    季節感のある新メニューや、お得なセットメニューなどを開発する。
  • 販促活動の強化
    チラシやSNSなどを活用して、積極的に宣伝を行う。
  • コスト削減
    経費を見直し、無駄を削減する。
  • サービスの向上
    顧客満足度を高め、リピーターを増やす。
タクヤ
「ニッパチ」とは、飲食業界において、2月と8月は一般的に売上が落ち込む月であることを意味する言葉です。
様々な理由から、この時期は消費者の外食頻度が減る傾向にあります。
しかし、業態や立地によってはこの限りではなく、また、事前の対策によって売上低迷を最小限に抑えることも可能です。
「ニッパチ」は飲食業界ではよく使われる言葉であり、この言葉を理解することで、飲食業界の経営環境をより深く理解することができるでしょう。

飲食業界の最新記事8件