「羹(あつもの)」とは、肉や魚、野菜などを煮込んだ、とろみのある汁物料理 のことを指します。主に和食、特に日本料理や懐石料理で用いられる用語です。「吸い物」よりは具が多く、とろみがあることが一般的です。
目次
「羹(あつもの)」の語源
「羹」という漢字は、古代中国で肉や野菜を煮込んだスープを意味していました。「あつもの」という読み方は、「熱いもの」から来ていると考えられます。
「羹(あつもの)」の特徴
- 具材: 肉、魚介類、野菜など様々な具材が用いられます。
- とろみ: 葛粉(くずこ)や片栗粉などでとろみをつけることが多いです。
- 温度: 温かい状態で提供されます。
- 器: 蓋付きの椀で提供されることが一般的です。
「羹(あつもの)」の例
- かぶら蒸し
かぶらをすりおろし、魚介類などと合わせて蒸した料理。 - 柳川鍋
ドジョウやウナギを、ゴボウやネギなどと一緒に煮込んだ鍋料理。 - 鯛のあら炊き
鯛の頭や骨を、野菜などと一緒に煮込んだ料理。 - 吉野汁/葛仕立て
具だくさんの汁物に葛粉でとろみをつけたもの。奈良県吉野地方が葛粉の名産地であったことが由来。 - 海老しんじょうのあんかけ
海老のすり身を丸めたものに、とろみをつけたあんをかけた料理。
「羹(あつもの)」の使用例
- 「本日の羹は、鯛のかぶら蒸しでございます」
その日の「羹(あつもの)」のメニューを説明する。 - 「お献立の羹は、何になりますか?」
コース料理の「羹(あつもの)」の内容を尋ねる。 - 「次の料理は、温かい羹をご用意しております」
次の料理が「羹(あつもの)」であることを伝える。 - 「この羹、とても良いお出汁が出ていますね」
「羹(あつもの)」の味を褒める。 - 「料理長、羹の味をみてください」
出来上がった「羹」の味見を依頼する。
「羹(あつもの)」と「吸い物」との違い
「羹(あつもの)」と「吸い物」はどちらも汁物ですが、以下のような違いがあります。
- とろみ
「羹(あつもの)」は、とろみがある。「吸い物」は、基本的にとろみがない澄んだ汁。 - 具材
「羹(あつもの)」の方が、具材の種類や量が多い傾向にある。「吸い物」は、比較的具が少なめ、もしくは、ない場合もある。 - 位置づけ
「羹(あつもの)」は、「吸い物」よりも料理としての比重が大きい傾向にある。
「羹(あつもの)」とそれ以外の汁物との違い
- 汁物
より一般的な汁物の総称。味噌汁や雑煮など、具材や調理法も様々。 - 鍋物
大鍋で煮込み、食卓で取り分けて食べる料理。「羹」は、通常、個別の椀で提供される。 - 煮物
汁気が少なく、具材にしっかりと味をしみこませた料理。「羹」は、汁を楽しむ料理。
「羹(あつもの)」とは、飲食業界、主に和食で使われる、肉や魚、野菜などを煮込んだ、とろみのある汁物料理を指します。
コース料理の一品として提供されることが多く、季節の食材を使った、見た目にも美しい料理です。
使用例からもわかるように、主に高級な日本料理店などで使われる、専門的な用語と言えるでしょう。
この解説が、飲食業界の「羹(あつもの)」についての理解を深める助けになれば幸いです。
コース料理の一品として提供されることが多く、季節の食材を使った、見た目にも美しい料理です。
使用例からもわかるように、主に高級な日本料理店などで使われる、専門的な用語と言えるでしょう。
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