ABC分析

「ABC分析」とは、売上高や粗利、在庫などの指標を基準に、商品を3つのグループ（A、B、C）に分類し、それぞれのグループに応じた管理を行うための分析手法です。
重点管理手法のひとつです。 パレートの法則（80:20の法則）を基に、売れ筋商品を把握したり、重点的に販売すべき商品を特定したり、在庫管理を効率化したりするために活用されます。

「ABC分析」の3つのグループ

• Aグループ
  売上高や粗利など、重視する指標の上位70～80%を占める商品群。最重要商品群
• Bグループ
  Aグループに次ぐ、指標の上位20%程度の商品群。準重要商品群
• Cグループ
  残りの指標の下位10～20%程度の商品群。比較的軽視できる商品群

「ABC分析」の活用方法

飲食業界では、ABC分析は主に以下のような目的で活用されます。

1. メニュー分析:

   • 売れ筋メニューの把握
   • 重点的に販売すべきメニューの特定
   • 不振メニューの特定
   • メニュー改定時の参考

2. 在庫管理:

   • 重点的に管理すべき食材の特定
   • 過剰在庫や在庫不足の防止
   • 食材ロスの削減

「ABC分析」の手順

1. 指標の決定: 売上高、粗利、販売数量など、分析の基準となる指標を決定する。
2. データの収集: 決定した指標に基づいて、一定期間のデータを収集する。
3. データの降順並べ替え: 収集したデータを、指標の大きい順に並べ替える。
4. 累積構成比の算出: 各商品の指標の構成比と累積構成比を算出する。
5. グループ分け: 累積構成比に基づいて、商品をA、B、Cの3つのグループに分類する。
6. 分析と対策: 各グループの特徴を分析し、それぞれに適した対策を検討する。

「ABC分析」の使用例

• 「メニューの売上をABC分析した結果、Aグループの商品の販売を強化することにした」
  売上上位の商品を重点的に販売し、全体の売上アップを図る。

• 「在庫管理にABC分析を取り入れて、食材ロスを削減できた」
  重要度の高い食材を重点的に管理することで、在庫の最適化を実現する。

• 「ABC分析の結果、Cグループに分類されたメニューを、メニューから外すことにした」
  売上や利益に貢献していないメニューを削減し、メニュー構成を改善する。

• 「定期的にABC分析を実施して、メニューの改善に役立てている」
  定期的に分析を行うことで、トレンドの変化などに対応し、常に最適なメニュー構成を維持する。

• 「ABC分析の結果、Aグループのドリンクの原価率が想定より高いことが判明した。早急に改善しなければならない。」
  最重要商品の原価率を把握し、改善が必要であることを特定する。

• 「ABC分析の結果、高利益率のBグループの商品が想定より少ないことが分かった。今後は、このランクのメニューを拡充したい。」
  準重要商品のバリエーションを増やし、利益率の向上を図りたい。

「ABC分析」の注意点

• ABC分析は、過去のデータに基づいた分析です。将来の売上や利益を保証するものではありません。
• 季節要因やトレンドの変化など、外部環境の変化も考慮する必要があります。
• Cグループの商品であっても、お店のコンセプトや顧客ニーズによっては重要な役割を果たす場合もあります。
• 他の分析手法と組み合わせて使うことで、より効果を発揮します。例えば、商品カテゴリー毎、曜日や時間帯別など、様々な切り口で分析をします。