「キュー出し」とは、本番中や収録中に、CMやVTRなどの素材を、指示されたタイミングで送出(再生)すること を指します。 主に、副調整室(サブ)のビデオテープレコーダー(VTR)担当者や、ビデオディスク・サーバー(VD)担当者に対して使われる言葉です。
「キュー(cue)」の意味
「キュー」は英語の”cue”から来ており、「合図」「きっかけ」「指示」といった意味があります。 テレビ業界では、「キューを出す」や「キューをもらう」といった表現が、様々な場面で使われています。
- キューを出す: 指示を出すこと。
- キューをもらう: 指示を受けること。
「キュー出し」の重要性
テレビ番組は、様々な映像素材を組み合わせて構成されています。 「キュー出し」は、それらの素材を、適切なタイミングで送出するために、非常に重要な作業です。 特に生放送では、一瞬のミスが放送事故に繋がるため、高い集中力と正確性が求められます。
「キュー出し」を行う担当者
主に、副調整室(サブ)にいる以下のような担当者が「キュー出し」を行います。
- VTR担当
ビデオテープレコーダーを操作し、CMやVTRなどの素材を送出する。 - VD担当
ビデオディスク・サーバーを操作し、素材を送出する。 - PA (Program Assistant)
番組の進行を補佐する役割。最近では、専門の担当者ではなく、PAが送出や、送出の指示も担うことが多い。
「キュー出し」と「頭出し」との違い
- キュー出し
本番中や収録中に、指示されたタイミングで素材を送出(再生)すること。 - 頭出し
再生する素材の頭(開始点)を、事前に設定しておくこと。「キュー出し」を正確に行うためには、事前の「頭出し」が重要となる。
「キュー出し」の使用例
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「CM、5秒前、4, 3, 2, 1, キュー!」
ディレクターが、VTR担当者に対して、CMを送出するように指示する。 -
「次のVTR、キュー出しの準備しておいて」
ディレクターが、VTR担当者に対して、次のVTRを送出できるように準備しておくよう指示する。 -
「今のVTR、キュー出しが遅れたから、もう一回やり直そう」
VTRの送出が遅れたため、再度やり直すことを伝える。 -
「このタイミングで、提供コメントのキュー出しをお願いします」
提供コメントを送出するタイミングを、担当者に指示する。 -
「生放送は、キュー出しが特に重要だから、集中して」
生放送では、素材の送出ミスが許されないため、担当者に注意を促す。 -
「キュー出しのミスで、放送事故になりかけた」
素材の送出ミスが原因で、放送に問題が発生してしまったことを話す。 -
「Aさんは、キュー出しが正確で、安心して任せられる。」
Aさんが、素材送出の担当として、正確であることを評価する。
特に生放送では、番組をスムーズに進行するために、非常に重要な役割を担っています。
この解説が、「キュー出し」についての理解を深める助けになれば幸いです。