「撮って出し」とは、収録した映像を、ほとんど編集せずに、そのまま放送すること、または そのような形式で制作・放送される番組 を指します。 「撮ったものを、そのまま出す」という意味合いから、このように呼ばれます。
「撮って出し」の特徴
「撮って出し」の主な特徴は、以下の通りです。
- 即時性
収録から放送までの時間が短いため、情報の鮮度を保つことができます。 - 低コスト
編集作業にかかる時間や人件費を削減できるため、制作コストを抑えることができます。 - 臨場感
編集による演出が少ないため、現場の雰囲気や、出演者の自然なリアクションなどを伝えることができます。 - ドキュメンタリー性
編集で情報を操作することなく、ありのままの事実を伝える。
「撮って出し」が用いられる番組
「撮って出し」は、以下のような番組で用いられることが多いです。
- 情報番組
その日に起きた出来事や、最新の情報などを、迅速に伝える必要があるため。 - 報道番組
ニュースや、事件・事故の現場からのレポートなど、速報性が求められるため。 - スポーツ中継
試合や競技の模様を、リアルタイムで視聴者に届けるため。 - バラエティ番組
出演者のアドリブや、ハプニングなどを、そのまま放送することで、面白さを演出するため。
(ただし、近年は、コンプライアンスの問題もあり、バラエティでの「撮って出し」は減少傾向にあります。) - 通販番組
収録した商品紹介を、そのまま放送するため。
「撮って出し」のメリット
- 鮮度の高い情報を伝えられる
収録から放送までのタイムラグが少ないため、最新の情報を視聴者に届けることができます。 - 制作コストを抑えられる
編集作業にかかる時間やコストを削減できます。 - 臨場感やライブ感を演出できる
編集されていない、生の映像を放送することで、視聴者に臨場感やライブ感を感じてもらえます。
「撮って出し」のデメリット
- 編集による修正ができない
ミスやトラブルが、そのまま放送されてしまうリスクがあります。 - 番組の構成や演出に制約がある
編集による場面転換や、効果的な演出などが難しくなります。 - 出演者やスタッフへの負担が大きい
編集で修正できないため、出演者やスタッフには、高い集中力と、正確性が求められます。
「撮って出し」の使用例
-
「このコーナーは、撮って出しで放送します」
収録した映像を、ほとんど編集せずに放送することを説明する。 -
「今日の撮って出しの映像、もう確認した?」
その日に収録して、そのまま放送する予定の映像について確認する。 -
「この番組は、低予算だから、撮って出しが多いんだよね」
制作費を抑えるために、編集をあまりせず、撮って出しの形式で放送することが多いことを話す。 -
「撮って出しだと、ハプニングもそのまま放送されるから、面白い」
編集されていない、生の映像ならではの面白さについて話す。 -
「撮って出しの番組は、出演者のアドリブ力が試される」
編集で修正できないため、出演者には、高いアドリブ力が求められることを説明する。 -
「この通販番組、ずっと撮って出しで放送してるらしいよ」
商品を販売するテレビショッピングが、編集をあまりせずに放送されていることを話す。
「撮って出し」と関連する用語
- 完パケ
完全にパッケージ化された、つまり、編集が完了し、すぐに放送できる状態の番組や映像素材。 - 生放送
収録された映像ではなく、リアルタイムで放送される番組。 - ニアライブ
収録した映像を、少し後に放送すること。ほぼ撮って出しと同じ。 - VTR
ビデオテープレコーダーで収録した映像、または番組内で放送する短い映像。
語源
- 撮って出し
「撮影したものを、そのまま(編集せずに)出す」という意味の、業界内で生まれた造語と考えられます。
「撮って出し」とは、テレビ業界で、収録した映像を、ほとんど編集せずに、そのまま放送すること、またはそのような形式で制作・放送される番組を指します。
即時性、低コスト、臨場感などのメリットがある一方で、編集による修正ができない、構成や演出に制約があるなどのデメリットもあります。
情報番組、報道番組、スポーツ中継などで、よく用いられる放送形態です。 この解説が、「撮って出し」についての理解を深める助けになれば幸いです。
即時性、低コスト、臨場感などのメリットがある一方で、編集による修正ができない、構成や演出に制約があるなどのデメリットもあります。
情報番組、報道番組、スポーツ中継などで、よく用いられる放送形態です。 この解説が、「撮って出し」についての理解を深める助けになれば幸いです。