「バミる」とは、出演者の立ち位置や、カメラの位置、家具や、小道具を置く位置などに、目印をつけることを指す業界用語です。
主に、テレビ番組の収録や、生放送、舞台、イベントなどで使用されます。 「バミリ」という名詞としても使われます。
「バミる」目的
「バミる」目的は、主に以下の通りです。
- 立ち位置の明示
出演者に対して、正確な立ち位置を指示する。 - カメラワークの円滑化
カメラマンが、出演者や、被写体の位置を、素早く把握できるようにする。 - 美術セットや、小道具の配置
家具や、小道具などを、正確な位置に配置する。 - 繰り返し撮影時の、再現性確保
同じシーンを、繰り返し撮影する際に、毎回同じ位置に、人や、物を配置できるようにする。 - 段取りの確認
出演者、スタッフが、シーンの流れや、動きを、事前に確認し、共有する。
「バミリ」の種類
「バミリ」には、用途や、使用する場所に応じて、様々な種類があります。
- テープバミリ
ビニールテープや、養生テープ、ドラテ などを、床に貼って目印にする方法。最も一般的な方法。- T字型: 出演者のつま先の位置を示す。
- 十字型: 出演者の足の中心、重心の位置を示す。
- L字型: 物の角の位置を示す。
- 四角形: 物の配置場所を、四角く囲む。
- 置きバミリ
重しを置く、チョークで印をつけるなど、床にテープを貼らずに行う方法。床材を傷つけたくない場合や、本番で、テープが見えてはいけない場合に用いる。 - 光バミリ
レーザーポインターなどで、床や、壁に光を当てて、位置を示す方法。テープや、重しが不要で、本番で、バミリが見える心配もない。
「バミリ」の色
「バミリ」に使用するテープの色は、目的や、床の色、番組のルールなどによって使い分けられます。
- 白: 最も一般的に使われる色。
- 黒: 床が白い場合など、白だと目立たない場合に使用する。
- 黄: 注意喚起を促す場合に使用する。
- 赤: 緊急性が高い、重要な指示を示す場合に使用する。
- 青、緑: 複数の出演者や、カメラがある場合、個人や、カメラを識別するために使用する。
「バミる」手順
- 位置の確認: ディレクターや、演出担当者、美術スタッフなどが、出演者の立ち位置や、カメラの位置、セットや、小道具の配置などを決定する。
- バミリ材の準備: テープや、重しなど、適切なバミリ材を準備する。
- バミる: 決定した位置に、目印をつける。
- 確認: 出演者や、カメラマンなどが、バミリの位置を確認する。
- 調整: 必要に応じて、バミリの位置を調整する。
「バミる」の使用例
-
「ここに、MCの立ち位置を、T字でバミっておいて」
司会者の立ち位置を、T字型のテープで、床にマークするよう指示する。 -
「カメラの位置を、赤のテープでバミってください」
カメラの位置を、目立つように、赤いテープでマークするよう指示する。 -
「この椅子は、ここにバミってあるから、動かさないで」
床に印がつけてあるため、椅子の位置を、動かさないように伝える。 -
「カメリハの前に、出演者全員のバミリを確認しておこう」
カメラリハーサルの前に、出演者の立ち位置の、目印を確認する。 -
「このセット、図面通りに、ちゃんとバミってある?」
美術セットが、図面通りに、配置されているか確認する。 -
「本番中は、バミリを、踏まないように気をつけて」
本番中、床に貼られた、テープなどを踏まないよう、出演者に注意を促す。 -
「バミリを、外す時は、床を傷つけないように、注意して」
テープなどを、剥がす際に、床を傷つけないよう指示する。
「バミる」「バミリ」と関連する用語
- カメリハ
カメラリハーサルの略。本番とほぼ同じ環境で行う、カメラを中心としたリハーサル。
- ドライリハーサル
演技や、進行の確認など、技術的な準備を伴わない、リハーサル。 - きっかけバミリ
出演者が、演技を始める、きっかけとなる立ち位置や、動きを示す目印。 - 暗転バミリ
舞台の照明が消えている状態で、立ち位置を示すために、蓄光テープで付けられる目印のこと。
語源
- バミる
「場を見る」「場に印をつける」などの意味から、「バミリ」という言葉が生まれたという説や、「場を見る」が転じて「バミる」になったなどの説があります。- 漢字では「場見る」と当てられることが多いです。
「バミる」とは、テレビ業界で、出演者の立ち位置や、カメラの位置、セットや、小道具を置く位置などに、目印をつけることです。
「バミリ」は、番組制作を、円滑に進めるために、非常に重要な役割を果たしています。
また、確実かつ、迅速に「バミる」技術は、有能なスタッフの、1つの指標となっています。
この解説が、「バミる」についての理解を深める助けになれば幸いです。
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