「ニアリーイコール(Nearly Equal)」とは、「ほぼ等しい」「おおよそ等しい」「近似的に等しい」 という意味で使われる和製英語です。
完全に一致するわけではないが、実用上は同じとみなせる程度に、値や状態が近いことを表します。
なぜ「ニアリーイコール」が使われるのか?
IT業界では、数値計算やデータ比較などを行う際に、厳密な一致よりも、ある程度の誤差を許容して「ほぼ等しい」と判断したい場面がよくあります。
- 浮動小数点演算
コンピュータにおける実数の表現方法である浮動小数点数は、その性質上、厳密な値ではなく近似値となります。
そのため、計算結果が完全に一致することは稀であり、ある程度の誤差が生じます。 - 閾値判定
ある値がある閾値を超えたかどうかを判定する際に、閾値付近の値に対しては「ほぼ等しい」とみなす場合があります。 - 曖昧さの許容
完全に一致していなくても、実用上問題ないレベルであれば、処理を簡略化するために「ほぼ等しい」とみなすことがあります。
「ニアリーイコール」の判断基準
「ニアリーイコール」と判断する基準は、状況によって異なります。
- 差の絶対値
2つの値の差の絶対値がある閾値以下であれば、「ニアリーイコール」とみなす。 - 差の相対値
2つの値の差の相対値(例えば、差を一方の値で割ったもの)がある閾値以下であれば、「ニアリーイコール」とみなす。 - 有効桁数
有効桁数が指定された桁数まで一致していれば、「ニアリーイコール」とみなす。
「ニアリーイコール」の使用例
- 「計算結果は、理論値とニアリーイコールだね」
計算結果が理論値と完全に一致しないが、実用上問題ない程度に近似していることを表す。 - 「この2つのデータは、ニアリーイコールと考えていいでしょう」
2つのデータがほぼ同じ値であることを示す。 - 「閾値との比較では、ニアリーイコールの場合も考慮する必要がある」
閾値付近の値に対して、「ほぼ等しい」とみなす必要があることを説明する。 - 「この数値は、1.0とニアリーイコールとみなして処理を進めます」
ある数値が1.0と完全に一致しなくても、ほぼ1.0として扱うことを宣言する。 - 「ユーザーの入力値が想定値とニアリーイコールか検証します」
入力された値が、想定されている値と近いかを確認する。 - 「この場合、結果がニアリーイコールなら、テストはパスさせましょう。」
テストの合否判定基準として、多少の誤差を許容する。
「ニアリーイコール」を表現する記号
数学では、近似的に等しいことを表す記号として「≒」「≈」「≃」などが使われますが、プログラミング言語では、以下のような表現が使われることがあります。
Math.abs(a - b) < 0.001
:a
とb
の差の絶対値が0.001
より小さければ、a
とb
はニアリーイコールとみなす(Javaの例)。abs(a - b) < 1e-9
:a
とb
の差の絶対値が1e-9
(10の-9乗)より小さければ、a
とb
はニアリーイコールとみなす(Pythonの例)。
「ニアリーイコール」の注意点
「ニアリーイコール」は便利な表現ですが、判断基準を明確にしないと、思わぬバグや誤判定を引き起こす可能性があります。使用する際には、どのような基準で「ほぼ等しい」とみなすのかを、明確に定義しておくことが重要です。
「ニアリーイコール」とは、IT業界で「ほぼ等しい」「おおよそ等しい」「近似的に等しい」という意味で使われる和製英語です。
特に、浮動小数点演算や閾値判定などで、厳密な一致ではなく、ある程度の誤差を許容して「ほぼ等しい」と判断したい場面で用いられます。
使用する際には、どのような基準で「ほぼ等しい」とみなすのかを明確に定義しておくことが重要です。
この解説が、IT業界の「ニアリーイコール」についての理解を深める助けになれば幸いです。
特に、浮動小数点演算や閾値判定などで、厳密な一致ではなく、ある程度の誤差を許容して「ほぼ等しい」と判断したい場面で用いられます。
使用する際には、どのような基準で「ほぼ等しい」とみなすのかを明確に定義しておくことが重要です。
この解説が、IT業界の「ニアリーイコール」についての理解を深める助けになれば幸いです。