「イーサネット(Ethernet)」とは、コンピュータなどの機器をネットワークに接続するための、有線LANの規格です。
現在、最も普及している有線LANの規格であり、オフィスや家庭などで広く利用されています。
「イーサネット」の特徴
- 世界標準規格
IEEE(米国電気電子学会)によって標準化されており、世界中で利用されています。 - 幅広い互換性
異なるメーカーの機器同士でも、イーサネット規格に準拠していれば接続できます。 - 多様な通信速度
10Mbps、100Mbps、1Gbps、10Gbpsなど、様々な通信速度の規格が存在し、用途に応じて選択できます。 - 比較的安価
他のネットワーク規格に比べて、機器やケーブルが比較的安価です。 - CSMA/CD方式
複数端末が同時に送信した際に、信号の衝突(コリジョン)を検出し、送信を制御するCSMA/CD方式を採用しています。(ただし、最近はスイッチングハブの使用が一般的なため、この方式が使われるケースは減っています。)
「イーサネット」の構成要素
イーサネットを構成する主な要素は以下の通りです。
- ケーブル
機器同士を接続するケーブル。主にツイストペアケーブルや光ファイバーケーブルが使われます。 - NIC(ネットワークインターフェースカード)
コンピュータなどの機器に装着され、ネットワークとの接続口となる部品。 - リピータハブ
ネットワーク上の信号を増幅・中継する機器。 - スイッチングハブ
接続された機器間の通信を効率的に中継する機器。 - ルーター
異なるネットワーク間を接続する機器。
「イーサネット」の規格
イーサネットには、通信速度や使用するケーブルの種類などによって、様々な規格が存在します。
- 10BASE-T
最大通信速度10Mbps。ツイストペアケーブルを使用。 - 100BASE-TX
最大通信速度100Mbps。ツイストペアケーブルを使用。 - 1000BASE-T
最大通信速度1Gbps(1000Mbps)。ツイストペアケーブルを使用。「ギガビットイーサネット」とも呼ばれる。 - 10GBASE-T
最大通信速度10Gbps。ツイストペアケーブルを使用。 - 1000BASE-X
最大通信速度1Gbps。光ファイバーケーブルを使用。
「イーサネット」の使用例
- 「会社のネットワークは、イーサネットで構築されています」
社内LANがイーサネット規格で構築されていることを説明する。 - 「このパソコンには、イーサネットポートが付いています」
パソコンにイーサネットケーブルを接続する端子があることを説明する。 - 「イーサネットケーブルで、パソコンとルーターを接続してください」
パソコンをネットワークに接続する手順を説明する。 - 「最新のイーサネット規格は、10Gbpsの通信速度に対応しています」
イーサネットの最新規格について説明する。 - 「このハブは、イーサネットに対応したスイッチングハブです」
イーサネットで使用するネットワーク機器、スイッチングハブについて説明する。 - 「総務省の調査によると、日本のブロードバンドにおけるイーサネットの利用率は9割を超えています」
日本でのインターネット回線において、イーサネットが主流であることを説明する。
「イーサネット」と「Wi-Fi」との違い
- イーサネット
有線LANの規格。ケーブルを使って機器をネットワークに接続する。 - Wi-Fi
無線LANの規格。電波を使って機器をネットワークに接続する。
「イーサネット」とは、コンピュータなどの機器をネットワークに接続するための、有線LANの規格です。世界標準規格であり、幅広い互換性を持つため、現在最も普及している有線LANの規格となっています。 通信速度や使用するケーブルの種類などによって、様々な規格が存在し、用途に応じて使い分けられています。 この解説が、IT業界の「イーサネット」についての理解を深める助けになれば幸いです。