近年、対戦型のオンラインゲームが盛んになるにつれて、様々なゲーム用語が生まれてきました。
ゲーム用語辞典やオンラインゲーム用語集など、様々な資料で確認することができます。 その中でも頻繁に耳にする言葉の一つに「アグロ」があります。
この記事では、ゲーム用語の「アグロ」について、その意味、由来、具体的なゲームにおける使われ方、そして関連語までを詳しく解説していきます。
アグロの意味
ゲーム用語における「アグロ」とは、Aggression(アグレッション)を短縮した言葉で、攻撃的な戦法を意味します。
元々はトレーディングカードゲーム(TCG)で生まれた言葉で、低コストのカードを大量に使い、相手のライフポイントを早期に削り切るデッキを「アグロデッキ」と呼んでいました。
具体的には、対戦ゲームにおいて、序盤から積極的に攻撃を仕掛け、短期決戦を狙う戦略を指します。 相手が体制を整える前に、速攻で倒すことを目的としています。
「アグロ」は、ただ闇雲に攻撃するだけでなく、相手にプレッシャーを与え、ゲームのペースを握ることも重要な要素です。
相手を防御に回らせることで、こちらの戦略を有利に進めることができます。
アグロの由来
「アグロ」という言葉は、元々トレーディングカードゲーム(TCG)で使われていた用語です。
TCGでは、強力なクリーチャーを早期に召喚し、相手に直接攻撃を仕掛ける戦術を「アグロ」と呼んでいました。
その後、この言葉は他のジャンルのゲームにも広がり、現在では対戦型ゲーム全般で使われるようになっています。
具体的なゲームにおけるアグロ
「アグロ」は、様々なゲームで異なる形で現れます。ここでは、代表的なゲームを例に挙げて、「アグロ」の具体的な戦略を見ていきましょう。
League of Legends (LoL)
LoLでは、「アグロ」は、序盤からレーンで積極的に攻撃を仕掛け、相手チャンピオンを倒すことを目指すプレイスタイルを指します。
アグロチャンピオンと呼ばれる、攻撃力の高いチャンピオンや、機動力に優れたチャンピオンが用いられることが多いです。
例えば、序盤から高いダメージを与えられる「レネクトン」や「ダリウス」、機動力で相手を翻弄する「リー・シン」や「イレリア」などがアグロチャンピオンとして挙げられます。
Hearthstone
Hearthstoneでは、「アグロ」デッキは、低コストのミニオンを大量に展開し、序盤から相手の体力を削っていくデッキを指します。
相手が大型ミニオンを展開する前に、速攻で決着をつけることを目指します。 例えば、「フェイスハンター」や「アグロシャーマン」といったデッキが、アグロデッキの代表例です。
Shadow verse
Shadowverseでも、「アグロ」は、低コストのフォロワーを大量に展開し、相手の体力を削っていく戦術を指します。
Hearthstoneと同様に、速攻で決着をつけることを目指します。
「ロイヤル」や「ヴァンパイア」といったクラスは、アグロを得意とするクラスとして知られています。
様々なゲームジャンルにおけるアグロ
「アグロ」は、対戦型ゲーム全般で使われる言葉であり、TCGやMOBAだけでなく、FPSやRTSなど、様々なジャンルでその概念を見ることができます。
例えば、FPSでは、敵陣に積極的に攻め込み、キルを狙うプレイスタイルを「アグロ」と呼ぶことがあります。
また、RTSでは、序盤から大量のユニットを生産し、敵基地にラッシュをかける戦術を「アグロ」と呼ぶことがあります。
アグロの対義語・関連語
「アグロ」と対比される言葉として、「コントロール」があります。コントロールは、防御を重視し、長期戦に持ち込んで有利な状況を作り出す戦略です。
アグロが短期決戦を狙うのに対し、コントロールは持久戦を得意とします。
例えば、LoLでは、後半に強くなるチャンピオンを育成し、集団戦で勝利を目指すプレイスタイルがコントロールに当たります。 Hearthstoneでは、強力な除去カードや回復カードを駆使して相手の攻撃を防ぎ、大型ミニオンで逆転を狙うデッキがコントロールデッキと呼ばれます。
また、「アグロ」と「コントロール」の中間に位置する戦略として、「ミッドレンジ」があります。
ミッドレンジは、序盤から中盤にかけては攻守のバランスを取りながら戦い、中盤以降に強力なカードやユニットを展開して勝利を目指す戦略です。
LoLでは、バランスの取れたチャンピオン構成で、レーン戦も集団戦もそつなくこなすプレイスタイルがミッドレンジに当たります。
Hearthstoneでは、中コストのミニオンを主体とし、序盤から中盤にかけては盤面をコントロールしながら、中盤以降に強力なミニオンで攻勢をかけるデッキがミッドレンジデッキと呼ばれます。
戦略 | 概要 | 特徴 | メリット | デメリット | Example Decks/Champions |
---|---|---|---|---|---|
アグロ | 序盤から積極的に攻撃を仕掛ける | 速攻、短期決戦 | 試合時間が短い、相手に反撃の隙を与えない | 防御が脆い、長期戦に弱い | LoL: レネクトン、ダリウス / Hearthstone: フェイスハンター |
コントロール | 防御を重視し、長期戦に持ち込む | 持久戦、盤面制圧 | 対応力が高い、逆転しやすい | 試合時間が長い、序盤が弱い | LoL: ヴェイン、カシオペア / Hearthstone: コントロールウォリアー |
ミッドレンジ | 攻守のバランスを取りながら戦う | 中期戦、柔軟性 | アグロとコントロールの両方の要素を持つ | 器用貧乏になりやすい | LoL: ジェイス、アーリ / Hearthstone: ミッドレンジパラディン |
プロゲーマーに見るアグロ戦略
プロゲーマーの試合では、「アグロ」戦略が高度なレベルで展開されることがあります。
例えば、League of Legendsのプロシーンでは、T1のFaker選手が、アグロチャンピオンである「ルブラン」を巧みに操り、相手を圧倒するシーンが多く見られます。
彼の高い操作技術とゲーム理解によって、「アグロ」戦略の真価が発揮されていると言えるでしょう。
また、Hearthstoneのプロシーンでは、日本のTempo Storm所属のglory選手が、アグロデッキを駆使して数々の大会で優勝を飾っています。
彼のデッキ構築力とプレイングスキルは、アグロデッキの可能性を最大限に引き出していると言えるでしょう。
アグロのメリット・デメリット
アグロのメリットは、試合時間が短く、相手に反撃の隙を与えないことです。
また、比較的簡単な操作でプレイできるため、初心者でも扱いやすいという点も挙げられます。
一方、アグロのデメリットは、防御が脆く、長期戦に弱いことです。
コントロールデッキや、防御力の高いデッキに対しては、苦戦を強いられることが多いです。
また、「アグロ」戦略は、リスクを伴うことが多いです。 攻撃に特化しているため、防御がおろそかになりがちで、相手の反撃を受けやすいという側面があります。
まとめ
この記事では、ゲーム用語「アグロ」について解説しました。
「アグロ」とは、Aggression(攻撃性)を意味する言葉であり、対戦ゲームにおいて、序盤から積極的に攻撃を仕掛け、短期決戦を狙う戦略のことです。
元々はTCGで使われていた言葉ですが、 現在ではMOBA、FPS、RTSなど、様々なジャンルの対戦型ゲームで使われています。
「アグロ」は、相手にプレッシャーを与え、ゲームのペースを握ることで、主導権を握り、勝利を目指します。
しかし、防御面が脆く、長期戦や反撃に弱いという側面も持ち合わせています。
「アグロ」戦略は、ゲームによって具体的な内容は異なりますが、LoLではアグロチャンピオンと呼ばれる攻撃力の高いチャンピオンや機動力に優れたチャンピオンを用いたり、HearthstoneやShadowverseでは低コストのカードで構成されたアグロデッキを使用したりします。
「アグロ」の対義語としては「コントロール」、中間に位置する戦略としては「ミッドレンジ」があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
「アグロ」は、対戦型ゲームにおいて重要な戦略の一つであり、その意味、由来、具体的なゲームにおける使われ方などを理解することで、ゲームをより深く楽しむことができます。
今回の解説が、皆様のゲームプレイの一助となれば幸いです。