みどパン協走曲

「みどパン協走曲」は、黒田六彦氏による児童文学作品です。
2006年に「ちゅうでん児童文学賞」大賞を受賞し、 第8回という記念すべき回での受賞となりました。
当初は『照常寺のみどパン小僧』というタイトルで発表されましたが、 2007年に現在のタイトルである『みどパン協走曲』に改題されて刊行されました。

あらすじ

物語の主人公、椎馬瞬平太は、小学5年生。 柊市の山すそにある照常寺の一人息子で、 学校のサッカー部に所属し、毎年1月の市のロードレース大会にも出場しています。
ちょっと泣き虫なところもありますが、おっちょこちょいで人のいい少年です。
ある日、彼の父親が盲目の少年・拓斗を家に預かることになり、瞬平太は拓斗の伴走者としてロードレース大会に出場することになります。

タイトルに込められた意味

「みどパン協走曲」というタイトルには、様々な意味が込められていると考えられます。

  • 瞬平太と拓斗の協調性
    瞬平太と拓斗は、ロードレースを通して互いに協力し、支え合いながらゴールを目指します。
    これは、協奏曲において独奏楽器と管弦楽が互いに調和しながら音楽を作り上げていく様子と重なります。

  • 成長
    瞬平太は、拓斗との出会いを通して、自分自身の弱さと向き合い、成長していきます。これは、協奏曲において独奏楽器がオーケストラとの共演を通して新たな表現を獲得していく過程と似ています。

  • 友情
    瞬平太と拓斗は、ロードレースを通して友情を育んでいきます。
    これは、協奏曲において独奏楽器と管弦楽が一体となって音楽を奏でる姿と重なります。

  • 互いの個性: 協奏曲では、独奏楽器と管弦楽がそれぞれ異なる役割を担いながらも、互いに補完し合い、一つの音楽を作り上げていきます。
    これは、瞬平太と拓斗の関係性にも通じるところがあります。
    瞬平太は活発で、拓斗は穏やか。
    異なる個性を持つ二人が、互いの長所を生かしながら、ロードレースに挑戦していく姿は、まさに協奏曲のようです。

作者について

黒田六彦氏は、1962年京都市生まれの児童文学作家です。
立命館大学二部経済学部を卒業後、様々な職業を経験しながら創作活動を行っています。
第二回浦和スポーツ文学賞佳作を受賞するなど、スポーツを題材とした作品を多く執筆しています。
絵本ナビでは、黒田氏の作品は2000万人以上が利用しているとのことです。 長年にわたり、児童文学の分野で活躍されている作家と言えるでしょう。

結論

「みどパン協走曲」は、黒田六彦氏による児童文学作品です。
一見すると不思議なタイトルですが、そこには主人公たちの協調性や成長、友情といったテーマが込められています。 スポーツを通して少年たちの心の交流を描いた感動的な物語であると同時に、自然との調和、そして互いの個性を尊重することの大切さを教えてくれる作品です。
「みどパン」と「協奏曲」という言葉の組み合わせが、これらのテーマをより深く、印象的に表現していると言えるでしょう。

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